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思えば、父は、前回3年前に免許を更新した9日後に大腿骨頸部骨折で入院したため、更新して車を運転したのは、警察署から家に帰るまでの数分だけです。まさかあれが最後になろうとは。。。「今回の更新で最後にする!」という宣言が見事なフラグに。
更新の時点で85歳でしたから、その時点でも十分遅すぎたんですけど、母が返納を許さなかったという経緯がありまして。巷では「家族の説得に本人が応じない」ことばかりに焦点が当てられがちですが、実は家族が許さないということも地方ではあるはずです。
今の時代、地方では、女性でも車の免許を持っていない人を探す方が難しいと思いますが、高度成長期よりも前に生まれた女性は、車の免許を持っていないのが普通です。
すると、そのまま夫婦そろって高齢になり、夫が免許を返納してしまうと、住んでいる場所によっては日常生活が送れないほど一気に不便になりますので、妻や家族が反対するということは当然考えられます。
うちの場合は、日常生活は、徒歩か電動付き自転車でなんとかなる場所に住んでいるのに、それでも母は反対でした。
祖父母が山奥に住んでいたため車が必要だったのですが、家に車があると、日常生活でも車に頼ってしまい、祖父母が亡くなった後も、父に運転させる生活に慣れていた母は、父が免許を返すことに反対し続けたのです。
最終的には、私と父で「お母さんが何と言おうと、もうこの更新で最後にしよう」と決めました。母は最後まで渋っていましたが、わざとのようなタイミングで父が骨折して入院手術となりw、無職の私が車で走り回ることになり、それを見てやっと母が諦めた形となりました。
父は一般の88歳よりも若く見えますし、脳もしっかりしています。無謀な運転をするタイプでもありません。それでも運転技術は年々怪しくなってきていたので、3年前に自動車保険を解約して車を処分した時はホッとしました。
実質は85歳で免許を返納したも同然でしたが、88歳で法的にも返納という形になりました。
車を処分した時に免許返納をしてもよかったのですが、私の住む自治体は、自家用車を運転する家族が同居している場合、免許を返納しても交通支援制度対象外なので、慌てて返納する必要がなく、結局、なんとなく放置し、3年経っての免許返納でした。
免許の返納を申請すると、申請による運転免許の取消通知書 なるものが渡されます。
タイトルに「申請による」と書いていますし、本文にも「あなたの申請に基づき」と書いてありますが、いかんせん「取消通知書」という言葉のインパクトが強く、まるで事故って免許を取り上げられたかのような響きです。
せめて「取消」ではなく「返納」にするとか、もうちょとお疲れ様でした感を出せないものなのか。。
運転経歴証明書 も申請してみました。1,100円でした。
警察署で申請したので「1ヶ月かかります。電話しますので取りに来てください」と言われました。
私の場合は、車でも自転車でも行ける距離に警察署があるので、まぁそんなもんかぐらいにしか思わなかったのですが、家に帰ってふと、「免許を返納しに行く人は帰りに車の運転ができないので、家族が車で送ってくれる人以外は、自転車や徒歩やタクシーや公共交通機関を使うんよな?なのに、もう一度取りに来いと言われるとしんどいよな…」と思いました。
即日交付で1回で済ませたいなら免許センターですが、家からものすごく遠くて辺ぴな場所にある場合、最寄りの警察署に2回行く方がまだましというパターンも多いでしょう。
警察にしてみりゃ、身分証明書になるものだから普通郵便というわけにもいかないし、本人受け取り限定郵便(宅配)にしてやる義理もないので、「欲しけりゃ取りに来い」が正解でしょうね。
1ヶ月後、運転経歴証明書を受け取ったのですが…
父の反応は薄かったです。10秒ぐらい眺めて「ふ~ん」と。「これ持ってても運転できんし、何に使うん?」と。
写真付き身分証明書を求められる時というのは、金融機関の口座開設、クレジットカードの作成、何かの資格受験の為の身分証明…などですが、それをするのはたいてい現役世代であって、高齢者はあまりしない。高齢者はほとんど何でも保険証で事足りてしまう。
父に関して言えば、自治体の条件を満たしていないので、タクシーとバスの割引券ももらえません。もらえたところで、家にいるのが一番好きというミスター引きこもりの父が使うとも思えないですが。
ということで、今のところ、運転経歴証明書の使い道は全くありません。わかっていたことなので、別に何とも思わないですけど、
自治体によっては、宿泊施設での割引や飲食店での割引などもあるようですが、免許証と車を捨てさせるほどの破壊力はなさそう。
こんなぬるい感じでは、ちっとも地方の免許返納が進まないのは当たり前だな~と。免許返納が任意である限り、地方の返納率が上がることはないだろうなと感じました。
返納率を上げるには、年齢で強制的に返納させるしかないと思いますが、そう簡単には…ね…
運転経歴証明書を発行してもらう理由は、まず、本人のプライドを守るためです。
特に、昭和世代の男性は車を運転免許を持っていること自体がステイタスなので、運転経歴証明書は、免許証がなくなってポッカリ開いてしまった免許証ケースと心の穴を埋めるのにぴったりです。
本当に車の運転が大好きだった人の心の穴は完全には埋まらないでしょうが、多少は埋まると思います。
次の理由は、運転経歴証明書は、有効期限なしでずっと身分証明書として使えることです。
マイナカードは身分証明書に使えないことがあります。例えば、銀行で本人確認を求められる場合、銀行によっては「マイナンバーカードの提出はお控えください」と言われることがあります。カードにがっつり印字されているマイナンバーがまずいらしい。
仕事や趣味にアクティブな高齢者なら身分証明が必要になることもあるでしょうから、身分証明が面倒になるから免許を返さなかったという人は、運転経歴証明書を発行してもらっておくのがよいでしょう。
免許を失効して5年経つと発行してもらえないので、申請するならお早めに。どうせ申請するなら免許返納のついでの方がラクです。
平成24年4月1日以降に発行された運転経歴証明書は、本人確認書類として使えるとのことですが、写真は大丈夫なのでしょうか?
有効期限のないということは、更新もなく写真もそのままということです。人間というのは、大病を患ったり認知症を発症したりすると別人のような人相になったりします。また、アンチエイジング対策を何もしていなければ、病気でなくとも、60~80歳までの容姿の老けっぷりはかなりのものです。
65歳ぐらいから免許を返納する人が増えてくるらしいのですが、80歳の人が65歳の頃の写真のついた運転経歴証明書を見せて、すんなり本人確認になるのでしょうか?
老けていても家族や親しい知人なら認識できると思いますが、初めて見る他人だと「本当にこの写真はあなたですか?」とならないのでしょうかね…
だからといって、写真のために運転経歴証明書の更新が必要だと言われるのは嫌なので、いっそのこと、運転経歴証明書の写真は、最初から自治体のゆるキャラでいいんじゃないかな(いいわけない)
以上
返納おめでとう?ございます。
何はともあれ、一安心ですよね。
家族の反対の話、なるほどですね。
車が無いと生きていけない地域に住んでいると
どうしても死活問題になりますので
老後の住む場所は大事だなぉとも思いました。
KYOさん、ありがとうございます!
うちの場合、徒歩10分でコンビニに行ける距離なのに、母は筋力が落ちて、いつのまにか歩けなくなってた感じで。
車に頼る弊害を見せつけられて、私は運動しないと。。と、真面目に考え出した今日この頃です。