まず最初に言っておきましょう。
テレビCMやネットCMが強調している「e-Taxを使えば簡単に確定申告ができる」というメッセージは、一部間違えています。正しくは、「e-Taxを使えば “2回目からは” 簡単に確定申告ができる」です。
今回は、マイナンバーカードを取得した私が、よくわからないままマイナポータルとe-Taxに振り回されながら確定申告した話です。
まず、これといって税の知識がなく、経理ソフトも持っておらず、税理士の知り合いもいない私は、国税庁の「確定申告書等作成コーナーへ行きました。例年通りです。
そこで「作成開始」→「所得税」へと進み、「e-Tax マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)」を選びました。
なぜなら、ICカードリーダライタを買い、ブラウザにマイナポータル拡張アプリのインストールも済ませていたからです。
ちなみにこんな感じのです。ICカードリーダライタは、通常、1,500~2,000円ぐらいで買えますが、確定申告の時期になると売切れたり価格が上がったりします。購入する場合は、確定申告の時期を避けるほうがよいでしょう。
さぁ、ここでもう怪しいです。
ですが、せっかくマイナンバーカードで認証するのですから、できるだけ便利に使えた方がいいので、
と、ポジティブシンキングで怪しさをかき消しておきました。
「e-Tax マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)」を方式を選んだ私は、次に「マイナポータルと連携する」というボタンを押すことになるのですが、その前に事前準備が必要であることを知ります。
「事前設定を行う」というボタンを押すと、事前設定の説明の画面が開き、そこに「マイナポータル連携の事前設定を行う(マイナポータルへ)」というボタンが出てきて、押すとマイナポータルへ飛ばされました。
すると、「あれをつなげろ、これをつなげろ」的なものが出てきたので、とりあえず、医療費と生命保険と証券に関係ありそうなものを、言われるがままにつなげていったのです。(誤って画面を閉じてしまっても、ホーム画面にあるメニューからつなげられますので、焦らなくても大丈夫です)
そして、あれこれつながされた後、これでもうOKな気分になり、
意気揚々と申告書の作成サイトへ戻り、「マイナポータルと連携する」ボタンを押し、作成を始めたのですが。。。
ん?何も数字が入ってない。連携したら自動で入力してくれるんじゃないの???
そうです、保険会社と証券会社のサイトでも設定が必要だったのです。もちろん、外部連携の説明画面にもそう書いてあるのですが、アホウな私は全く理解していなかったのです。
しかし、ここで私は妙な勘が働きます。「会社サイト側で設定いるんじゃね?」と。さすが無駄にネットばっかりやってないな私、と思いました。
にしても国税庁さん、サイトのリンクだけ貼って、ドヤ顔で「連携の仕方については各会社で聞いてください」というのは、丸投げ感が。。。せめて、「このボタンはサイトをつなぐだけで、私書箱はつながりません。どうか自分で頑張ってつないでください」と、お願いするぐらいの腰の低さが欲しいところです。
連携は会社によってやり方が違うというのがややこしい。
私の場合、
今となっては、何をどうやったら連携できたのかも覚えていませんが、e-私書箱の連携をすることに成功したのです。
もうこの時点でグッタリしていましたが、ここまで頑張ったのだから、なんとしてでもe-Taxで送信するんだ!と心に決め、今度こそと、確定申告書の作成を始めたのでした。
生命保険控除も年間取引報告書も、ちゃんと数字が入力されて、確認だけで済みました。配当金は手入力しました。
来年(令和4年)から、1年間の情報を取得できるようになるそうです。
今年(令和3年)医療費控除については、9月~12月分しか電子情報がなかったので、紙の通知書を追加で手入力しました。
私は、医療費控除は0円です。病気持ちで通院していますが、それでも10万円なんてほど遠い。医療費通知書が届いたので入力して申告しましたが、実は無意味です(笑)
私よりも必要なのは両親です。
毎年、年金収入の父親が、役場に、所得と医療費控除と生命保険控除の申告をしに行っていたのですが、昨年に車を手放したので、私が連れて行くことになりました。
町からのお知らせに「仕分けしていない領収書を持参した場合は1時間ほど時間がかかる」と書いていたので、コロナ禍なので、なるべく滞在時間を少なくしよう思い、確定申告書作成サイトを利用して医療費控除の明細書を作って持っていきました。
両親はマイナンバーカードを取得しておらず、取得する気もないので、当然、来年以降も、両親の医療費通知書と領収書を集計して手入力です。金額すご~!年寄りおそるべし!どう考えてもこの人たちに自動入力が必要。。。
事前準備さえしていれば、申告書の作成はラクになります。
私的に、もっとも良いと思った点は、提出後に間違いが見つかっても、提出期限内(3月15日まで)であれば、再提出するだけでOKなこと。最後に提出した申告書が有効になるので、修正したことを連絡する必要もないと。
私が言うと怪しいので、税理士さんの記事をご紹介。
参考記事:期限内なら何度もできる「訂正申告」〜還付金が振り込まれた後も可能!【確定申告】
いままでずっと紙で提出してきて、訂正の連絡が来たことはないのですが、書類が苦手な私にとっては、再提出できるという安心感はいいですね~
あと、e-Taxなら、送信した申告書が受け付けられたかどうかがすぐに確認できるので、郵送のような、「大丈夫かな、届いてるかな、間に合うかな」という不安もないです。
私の初めてのe-Taxは全く簡単ではなかったので、全ての人に向けて「みなさん、e-Taxがおすすめですよ~」とは言いにくいです。マイナポータル連携以前にもハードルがありますし。
例えば、マイナンバーカードがない場合、「ID・パスワード方式」となるため、IDとパスワードを発行してもらうために、税務署に出向いて本人確認をしてもらう必要があります。
一方、マイナンバーカードを取得している人は、自宅のネットから「マイナンバーカード方式」で登録することができるので、税務署に出向く必要がないのですが、マイナンバーカードの作成が面倒です。
結局、「ID・パスワードを取得する手間」と「マイナンバーカードを取得する手間」のどちらを取るかということになりますが、世の中の流れ的に「マイナンバーカード方式」の方がいいのではないかと個人的には思います。
現時点では、マイナンバーカードは普段の生活に何の役にも立たず、ただ更新が面倒なだけですが、今後はいろいろと便利になってくるかもしれません。それが10年後20年後だったとしても、少なくとも、確定申告にだけはマイナンバーカードが役に立ち続けますので、
マイナンバーカードを持っている人に向けては、「事前準備を頑張れる人は、マイナポータル連携でe-Taxで提出するのがおすすめですよ~」と言えます。
毎年ペーパーで確定申告をしている方は、マイナンバー方式のe-Taxをしてみてはいかがでしょう?