放送大学エキスパートとは、放送大学独自のプログラムで、学校教育法改正によって誕生した履修証明制度に対応しています。
履修証明制度とは、学士などの学位とは違うけれど、 社会人が 大学等で体系的に(コースで)専門の単位を取った場合、資格として活用できるように証明書を出してあげましょうという制度です。
もともと昔から、「科目生」や「選科生」や 「聴講生」 といったかたちで、大学で学んでいる人はたくさんいます。
「聴講生」は単位が取れませんが、 「科目生」や「選科生」 は単位を取得できます。単位があるのですから、履歴書に書いても怒られないはずですが、履歴書の記入例でも見かけたことがない気がします。
推測ですが…単に、書きにくかったからじゃないでしょうか。
コースプラン名などがない場合、単位を取得した教科名を全部履歴書に書き連ねるのは大変です。また、コースプランであっても、知名度もなく、国のお墨付きもなければ、微妙すぎて書くのをためらうでしょう。
2007年、文部科学省 から「社会人が、大学等で学んだことを履歴書に堂々と書けるように、学校教育法(105条)で定めてあげたから、どんどん活用してね」というお達しが出ました。
これにより、2006年から開始されていた「放送大学エキスパート」にも箔が付きました。
しかし、実際には、履修証明制度の存在は、2019年の現在でもほとんど一般的には知られておらず、誰かに自慢しようとしても「なにそれ?」と言われるだけで、まったく箔が付いた感じはありませんが。。
開始後12年経ってもパッとしない履修認証制度ですが、 政府が 「働き方改革」だの「副業元年」だの言いだしたあたりから、「生涯教育」や「リカレント教育」という言葉が注目されるようになってきました。
また、最近では「氷河期世代の人たちのために学習支援を!資格取得の支援を!」ということで、国も以前よりは大々的に発表しているので、ニュースなどで耳にすることが多少は増えた気がします。
リカレント教育とは、社会人の学び直しのことで、生涯学習と呼ばれることもあります。生涯学習の方が趣味や教養の色が強く、リカレント教育の方が仕事に活かそうという色が強いようです。
国が職業能力と結び付けようとしているため、大学等で行われている認証コースは、どちらかというとリカレント教育の方に寄っていると思います。
これを機会に、もうちょっと履修認証制度の知名度が上がればいいのになぁと思っています。
すでに単位を満たしている場合は必要ありませんが、まさにその学期の合否で単位を満たせるかどうかが決まるという場合は、合否確認をしなければいけません。たぶんいけるだろうと思ってお金を払い込んだのに落ちていたとなると、とても面倒くさいことになると思われます。
通常なら、成績発表日…は、たいがい混雑して見れないのでその次の日ぐらいに確認して、履修登録を始めますが、放送大学エキスパートの申請をする場合は、ちょっと注意が必要です。その月の末までに申請しないと、認証状が届くのが遅くなります。(後述の注意事項をご参照ください)
成績発表を待ってからでも十分に間に合うとは思いますが、学期によっては発表日が遅かったりするので、発表を待たずに合否だけ先に確認することも可能です。
放送大学では、成績発表よりも前に履修登録期間が始まります。このちょっと変なしくみを利用する方法が、 「裏ワザ」として知られています。方法については詳しくは書きませんが、ネットで検索すれば出てきます。
合否確認をするとこんな感じです
成績が発表されていなくても、成績はもう確定していて、合格した教科については、登録しようとすると「履修済」というエラーが出るので、合格したことがわかります。
ただし、閉講科目の再試験の場合は、科目が一覧表にないので、裏ワザを試すことができません。 封筒や書類などの準備を済ませ、成績発表を待ちましょう。
ちなみに、裏ワザを使って、不合格の場合、次の学期に再試験が可能の場合は「履修中」と出ます。これはこれでものすごく凹みます(笑)
※ 記事の内容につきましては、私個人が手引書から解釈したものなので、間違いがある可能性があります。申請の際は、必ず、放送大学の該当ページで内容を確認してください。
今回申請するのは「臨床心理学基礎プラン」です。
2017年に「心理学基礎プラン」を申請し、経験済みなのですが、すっかり忘れていて、結局「どうだったっけか?」と、調べるはめに。
同ページの下の方に以下の項目があります。 手引書のPDFです。
●●年度『科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)について~認証取得の手引き~』
銀行振込以外にも、支払方法はあります。詳しくは、手引書の4・5ページを参照してください。
私は、ネットバンキングで支払いました。
前回申請したときは、PCの画面をキャプチャして印刷したのですが、今回は、よく見ると、振込内容照会の画面に印刷ボタンがついていたので、そのまま印刷しました。
封筒に送り先を記入し、切手を貼り、「銀行振込明細書」と「認証状等交付願」を入れて出来上がりです。
宛先が長すぎて、御中が書けないかと思いましたが、なんとかギリギリ。。。
ということで、「臨床心理学基礎プラン」の認証状はまだないので、「心理学基礎プラン」のものを載せておきます(※以前個別に撮影した画像を合成したものです)
追記:2ヶ月後の10月に無事、届きました。
関連記事:放送大学エキスパートの認証状が届きました
放送大学の学生で「これから申請でもしてみよっかな~」とか「面倒くさくないなら申請でもしとくか~」とかいう人が見てくれるかもなどと思い、 自分の申請手続きの様子を書いてみたりしたのですが。。。
もしかしたら、「放送大学生になったばかりです」とか「放送大学エキスパートに初めて興味持ちました」という人が見ているかもしれない。。。
などと、妄想がさらにエスカレートしたため、注意事項なども書いておきたいと思います。
例えば、私が認証取得した「心理学基礎プラン」の場合ですと、単位を取る予定にしていた11教科中、 4年で半分が閉講していました。
ほとんどの教科は後継教科に引き継がれ、自分が取得した年度のものも有効ですが、後継教科の指定がないものは、その後数年で消滅します。
私の場合、最も早く消滅するのは「心理学史(’10)」です。この「心理学史」は、2015年時点では「必須科目」だったのに、まさか消滅する運命をたどるとは。。
その次に消滅するのは、「認知神経科学(’12)」です。どうやら「知覚・認知心理学」と「生理心理学」に分裂したようです。「認知心理学」には後継教科の指定があるのに、「認知神経科学」には指定がないので、残念ながら「認知神経科学」も消滅です。
全科履修生の在学期限が10年なので、その間にだいたい取れるように配慮されてはいるのですが、取得した教科によっては、すぐに閉講となりそのまま切り捨てられるものがあり、早いものでは5年ぐらいで無効になってしまうこともあるということです。
「5年もあれば大丈夫でしょう?」と思うかもしれませんが、働きながら2、3教科ずつだと、有効期限が怪しくなってきます。
仕事の都合や病気で試験を受けられなかったり、勉強不足で不合格になって再試験になったあげくに次の学期に取ろうと思っていた教科と試験時間が重なって取れなかったりとか、社会人には色々あります。
管理が得意でない方は、「あっちを取ってから申請しようと思っていたら、こっちの期限が切れていて、単位不足で申請できない」ということが起こる可能性があります。
考えるのが面倒くさいという方は、パンフレットに載っている「◎」と「○」の教科をできるだけ早く取り、単位数を満たしたら、すぐに申請すれば大丈夫です。
申請するときは、いま一度、20単位上という総単位数だけに気を取られず、必修「◎」と選択必修「○」の単位数を満たしているかチェックしましょう。
手引書には、「単位不足等で返金になる人が多数います。振込手数料は返せません」的なことが書かれています。
わざわざ書かれているぐらいなので、チェックせずに申請してしまう人がよほど多いのでしょう。 各プランの教科一覧表も手引書にありますので、面倒くさがらずに確認しましょう。
「選択必修」と書かれてはいますが、選択の余地はなく「ほぼ全部」です。
私の場合、先に取った「心理学基礎プラン」と、5教科ダブりがありますが、5教科とも選択科目 「無印」 のため、総単位数を満たした時点で申請しても却下です。
教養を身につけるという点では 、選択科目も含めて、全部取得して申請する方が良いにきまっていますが、私は、目先の資格に目がくらんで即申請です。
気をつけないといけないのは、「プランの廃止」でしょうか。
廃止されても、5年は申請できるそうですが、廃止されると、新規科目が追加されませんから、その間は閉講科目だけが増えていくこととなり、結果的に単位取得が間に合わないということが起こるかもしれません。
そう簡単に廃止にはならないと思いますが、申請数が少なかったり、時代と合わなくなったりすれば、廃止されたり、リニューアルされたりすることはあるでしょう。
放送大学エキスパートを申請する人は、大きく分けて2タイプだと思います。
有効期限に影響を受けないのは、計画性がある人・エキスパート申請が目的ではない人
1.の人で、計画的に履修している人は、有効期限にはひっかからないと思います
2.の人は、申請できなかったからといって、なんら困ることはありません
有効期限に影響を受けるのは、計画性がない人・飽き性の人・忙しい人
たとえば、「最初から特に何も考えずに、1教科ずつぐらい、のんびり単位を取得していき、ずっとそのペースのまま」や、「最初は普通もしくはハイペースで、途中から何らかの理由で単位取得スピードが極端に落ちる」など
文部科学省の履修証明制度についての説明のページ中に、以下の記述があります。
※平成31年4月1日以降に開始する履修証明プログラムより、総時間数の要件が「120時間以上」から「60時間以上」に短縮されました。
大学等の履修証明制度について
ということは、今後、放送大学でも、認証取得条件が変わるんでしょうかね。。。
私が「心理学基礎プラン」で取った単位数は22単位(合計165時間、11教科)です。最低20単位必要なので、放送大学エキスパートの現在の基準は「10教科、150時間」ということになります。文科省の基準よりも多めに設定されているようです。
仮にこれが90時間に減るならば、6教科(12単位)となり、2・3教科ペースでも2学期で取得できます。学期数が半分になれば、授業料も半分で済みます。
社会人にとっては、資格取得にかかる費用と時間の短縮は、とてもありがたいことです。資格が取りやすくなれば、制度も普及しやすくなるかもしれないので、悪くはないと思います。
ただ、12単位で「体系的に学んだ」と言えるのか?とも思いますけど。。
あくまでも「以上」であって、認証プログラムで必修を何教科にするかは、認証機関が独自で決めることだと思うので、いきなり半分にはならないとは思いますが。。。
既に認証されたものについては、もう自分には関係ありませんが、気になるので、来年以降のパンフレットを見て、「○」が半分になっていたら、笑います。そしてたぶんちょっと怒ります。
どもです。
台風は大丈夫でしょうか。お気をつけくださいまし。
りかれんと幟が強烈w
りかれんとって何!?と思いましたが、そんなことだったんですね〜。
おそらく説明書とかに書いてあったのかもですが、全く覚えていませんでした😅
きっとまた少ししたら忘れる気がします。
なんというか、なんか大変だなーの一言ですね。
知名度が上がると良いのですが、オリンピック絡みの奴も、その後どうなっているのやらやら。
KYOさん、ありがとー!
台風は、川の氾濫が心配です。うちの近所はレベル3ですが、本流沿いはレベル4らしい。
お!幟を見てくれましたかw。Wordがあればなんでも描ける!
「リカレント」ですけど、文科省のサイトに「認証された資格をぜひジョブカードにも記載して…」的なこと書いてるんですが、ジョブカードが全く普及してないんで、ちょっと無理が。。。役人は、思いつきで言うだけ言うて、その後何もしないからね。。。
それでも、私は自分のジョブカードに放送大学エキスパートを追記しますけどねw