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介護離職はデメリットしかないのか?

介護離職のメリット

介護離職ではないけれど介護離職

今回は、介護離職について個人的に思っていることを書いてみようかと。

会社を辞めた時期と、父の骨折入院、母のBPSD(行動心理症状)の悪化、さらには年齢的にも能力的にも性格的にも再就職できそうにないという条件が重なり、介護離職っぽい状態なのが、今の私です。

介護に専念するために離職したのではなく、離職したら介護以外にすることがなくなっただけなので、どうも微妙な気分ではあります。

しかも、介護といっても、障害者手帳の申請、介護保険の申請、住宅改修の打ち合わせ、服薬管理、風呂の見守り、爪切り、病院の送り迎え、介護予防体操教室の送り迎え、役場担当者さん・ケアマネさん・サービス施設とのやりとり…と…ぐらいで、たいしたことはしておらず、下の世話や動作介助などがっつり介護して疲弊している人からしたら「それで介護してるとか言うなボケェ!」と怒鳴られるレベルですので、なおさら微妙です。

デメリットの記事しかないのか?

ところで、インターネットで介護離職の記事を検索すると、

「介護離職をした人の8割が後悔している」だとか「必ず後悔する」

という内容が多いです。

  • 経済的に困窮する
  • 自分の時間がなくなる
  • 精神的に参ってくる
  • 介護が終わる頃には年齢的に再就職は絶望的になっている
  • 親が死んだら親の年金がなくなり自分が無一文

と、どれも似たような感じです。

申し訳程度にメリットも書かれていますが、ほぼほぼデメリットで埋め尽くされ、

最後は決まって「絶対に介護離職してはいけません」で締めくくられています。

ごもっともではありますが、すでに介護離職してしまっている多くの人は完全無視されている。。

メリットの記事もありました!

ちょっとぐらいメリットの記事はないんかい…と思って探していると、ありました。

参考記事介護離職を後悔してない割合はなんと70%

後悔している人の割合が8割で、後悔していない割合が7割だったら、足したら15割で数字が合いませんが、調査対象者が全然違うとこうなるんでしょうかね。。

でもとりあえず良かったです。すでに介護離職してしまっている人でも希望が持てる記事があって。

介護の環境は人それぞれ

介護離職のデメリットを強調している記事は、どうしても”悲惨な末路” を迎えさせたいらしく、全く経済的余裕がないうえに、要介護3~5でサービス利用でお金がバンバン飛んでいくイメージなのでしょう。

確かに、日本は貧富の格差が激しく、”一部の高所得者層 vs その他大多数の低所得者層” の二極化しているため、大多数の低所得者層が介護貧乏に陥ると考えるのは自然です。

その考えを元にすると、介護というのは体力的負担が大きく、多くの介護サービスを受けなければ介護者の体力が持たないため、介護離職をして収入がなくなることを避けなければならないというのも理解できます。

しかし、例えば、健常的な老化の場合、脳梗塞などの病気で身体的機能が急激に悪化していく場合、認知症で介護が必要になる場合とでは、介護の様子が全く違うはずです。

とくに、脳がだんだん壊れていき、身体的機能も徐々に弱っていく認知症の場合、介護者は、体力的な負担がくる前に、周辺症状/行動・心理症状【BPSD】(うつ、妄想、幻覚、徘徊など)に振り回されるという、精神的負担が大きいのです。

認知症の人あるあるとして、

  • 他人の前ではハキハキ受け答えができ、身体も普通に動くので、要介護にならずにサービスが受けられない
  • せっか要介護認定が出ても、本人が訪問ヘルパーや施設サービスを拒否してしまう
  • BPSDが酷すぎて、訪問ヘルパーを解除される、施設入所を断られる

認知症ではなくても、もとの性格に難があり、ヘルパーやサービス事業所と揉めて、たらい回しになる人も多いと聞きます。

認知症や性格に難のある親をかかえて疲弊している介護者に対して、「公的サービスを利用すれば介護と仕事の両立は必ず可能なので絶対に仕事を辞めてはいけません。介護はプロに任せましょう」は、アドバイスとして微妙では?

また、「親が死んだあと自分が貧困になるから仕事を辞めてはいけません」というアドバイスも、サービス利用にどれだけお金がかかるかは、親の症状や親の性格、介護期間によって大きく変わってきますし、そもそも介護者の経済力の基準をどのあたりにおいているのかも謎です。

本人と介護者の経済力はピンキリで、ピンだと介護離職しやすいのは想像つきますが、じゃあ、ピン以外の人は全員必ず貧困になるんですか?という疑問。。

とにかく介護離職しなければ倒れる人もいる

長期の高額サービスの介護を想定してお金を確保しないといけないのはわかりますが、

経済力がピンでなくても、せめてキリじゃなければ、体力的精神的に限界だったら仕事を辞めるという選択肢も残しておかないと、介護者が倒れたら元も子もないでしょう。

勢いで介護離職して後悔するのはよくないですが、無理に両立しようとして疲弊するのもよくないので、会社、自治体、ケアマネジャー、施設などと相談して慎重に方針を決めなければなりません。

虚弱体質の私が自信をもって言えることは、「なんかしんどい…と自覚したときは、もう相当やられてますよ」です。

介護は徐々に蓄積されていくタイプの疲れなので、もともと身体とメンタルが強い人は、疲労が蓄積されていることに気づきにくいので注意が必要です。強い人ほど、笑顔で大丈夫大丈夫と言いながら頑張り続け、ある日突然ベッドから起きられなくなったり、発作的に電車に飛び込んだりします。虐待や無理心中も、長年の疲労の蓄積の果てに起こります。

自分の体力とメンタルが完全にやられる前に急いで介護体制を整えるか、すでに相当やられているならリセットも必要です。

そのままいけば介護者が倒れていたところを、離職したことで倒れずに済んだのなら、それは十分に介護離職のメリットなのでは?

なぜこんなに情報が極端なのか?

私は、「なぜこれだけ極端に介護離職は絶対にダメという情報ばかりになるのだろう?」とふと思いました。

そこで思ったのが、国の介護離職防止のための両立支援助成金事業に関係あるのでは?そして、“一億総活躍プラン”という名の”死ぬまで働け令”のスピンオフではないか? です。

自治体はこぞってセミナーを開催していますし、助成金について書けば本も売れるでしょうし、ネット記事のアクセス数も増えるでしょう。

しかし、これとて結局企業のやる気しだいです。30年前に始まった育休制度もいまだに機能していないのだから、介護離職の制度についてもすぐには機能しないと考える方が自然でしょう。

ストレスなく介護と仕事の両立ができるのならそれが一番いいですが、現状では難しいのでは?

巷に溢れている「国がバリバリ助けてくれるから介護離職しなくても全然大丈夫!」「介護離職したら貧困に陥って取り返しのつかないことになりますよ」という情報を鵜呑みにして、援助を期待しながら無理して両立を試行錯誤しているうちに体力的にも精神的にも自滅した…というようなことになったら残念です。

これから先に訪れるかもしれない夢の介護と仕事の両立生活については頭の片隅においておくとして、今現在自分が勤めている会社がどれぐらいフォローしてくれそうなのか、今現在適切な介護サービスを受けられそうなのかを考慮して、介護離職するか両立するかを冷静に判断してほしいと思います。

すでに介護離職して再就職できない人間の負け犬の遠吠えみたいになってしまいましたが、「みんながそう言う」「国がそう言う」ことほど怪しいものはない。。。

以上