Last Updated on 2023年10月29日 by ぞん
だいぶ前に投稿した記事なのですが、コンスタントにアクセスがあるようなので、ちょっと見やすく書き直しました。投稿した時はインストラクターだったのですが、今は「元インストラクター」です。
目次
たまにはインストラクター的なネタも書いてみます。三流のくせに、ちょっと上から目線な感じになってしまって恐縮ですが。職業訓練での話なのですが、独学の場合でも、当てはまる部分がある気がします。
ワードやエクセルなどのパソコン操作の検定試験に受かりやすい人と受かりにくい人の違いは?
「そりゃ実力でしょ」と思うかもしれませんが、それよりも大事なものがあります。それは、
とりあえず「今は」受からないだろうという人。たとえば、ギフテッドではない発達障害や学習障害系の人。
個人差が大きく一概には言えませんが、「できるようになるのに、人の10倍も20倍も時間がかかる」という特徴が見られました。
このタイプの人にとって、「1+2」と「2+1」は別ものらしく、「似た問題や同じパターンの問題」というものは存在せず、「同じ問題か違う問題か」という認識のようです。
「1週間は7日」と「7×2=14」は知っているのに、それを関連付けられないため、「2週間は14日、3週間は21日、4週間は28日…」と、すべて暗記しなければならないようで、見ていて大変そうです。
「受かりにくい人」ではあるのですが、愚直という一面も持っているため、毎日毎日ひたすら試験対策問題を繰り返して覚えて、6ヶ月~1年ぐらいかけて合格できる人はいます。
しかし、健常者向けの短期職業訓練(3ヶ月程度)では、検定試験までに間に合わないのです。
一般的にふつうといわれる人や、私自身も含めたグレーゾーンの人です。
ワードやエクセルは、よほどの人でない限り、3級の試験を受けられるのに1ヶ月もかかりません。ワードとエクセルが既に出来る人であれば、パワーポイントは1週間もかかりません。
それでもやはり受かりやすい人と受かりにくい人がいます。その違いは何かというと、
「試験対策ということを意識できているか」
受かりやすい人は当たり前のように試験対策を意識しています。しかし、受かりにくい人は試験対策を意識していない…ことはないけれどどこか抜けている、つまり試験対策に集中していないのです。やる気がないわけではなく、やる気が空回りしているのがもったいないところです。
試験に受かりにくい人の特徴(その1)
たとえば、受かりやすい人をAさん、受かりにくい人をBさんとします。
1の例
検定対策の授業で、いくつか練習問題の解説をしたあと、「このタイプの問題は出やすいので、復習時間には、これを優先的にやったほうがいいですよ」と言われた時、
Aさんは、真っ先にそれに取り掛かり、わからなければ質問します。
Bさんは、講師のおススメはそっちのけ。自分が気になる問題ばかり練習し、おススメ問題はまったくやらずにそのまま本番に臨みます
たとえば日商PC検定は、いくつかの問題パターンがあり、しかも問題によって当たりハズレ(易しい難しい)の差が大きいという特徴があります。それらが当日のその時間に、試験会場のPCにインターネットを介してランダムに送られてくるので「誰がどんなパターンの問題に当たるかは、神のみぞ知る」です。
昔、マーフィーの法則というのが流行りましたが、余裕で受かりそうな人ほど易しい問題が当たり、ボーダーなのに自信満々な人ほど難しい問題が当たることが不思議と多いのです。AさんにはAさんが一番得意なパターンの問題に当たり、BさんにはBさんがノーマークだった問題が当たりがちなのです。
2の例
職業訓練を実施している施設のインストラクターは試験監督もしているので、ランダムとは言いながら、時には会場のほぼ全台にハズレ問題が送られてくることがあることも知っています。なので、偏った練習をしている人がいると、全パターン練習するように促すのですが、これが驚くほど伝わらない(笑)
「この問題のタイプに当たって落ちたら受験料もったいないですよ」などと、試験当日まで何回も言うのですが…
Aさんは、何回も言われるのだから「これは絶対にやっとけということだな!」と察します。
Bさんは、何回言われても「気にならない」し、周囲の人がその問題を必死でやっていても、全く察することなく、自分が得意な問題ばかり練習します(苦手な問題を練習しないと対策の意味がないのですが)。
試験後、落ちたBさんが「こんな問題が出るとは思わなかった」などと言うので、周囲は絶句したり苦笑したりツッコんだりします。
クラスに必ず1人はBさんのようなタイプの人がいるので、ある程度経験のあるインストラクターならお馴染みのことなので驚きません。その一方で、合格した Aさんが「え?何を言ってるのこの人は?」と思うのは正しい反応です。
3の例
Bさんは、実際にはボーダーライン付近にいるのだけど、自分は合格ラインを十分に越えていると思っているので、他人のアドバイスは聞き流す。その結果、本人的には完璧に出来ていて、合格すると思って試験終了のボタンを押したのに不合格。
本人は「出来た」と言うので、次に向けての対策ができません。
「なぜ自分が落ちなければならないのだ」と言わんばかりに恨むような目で、監督者に訴えますが、「どこかでうっかり大きく間違えてたんでしょうねぇ」としか答えられません。ただ、インストラクターはなんとなく想像がついています。「問題の意味を取り違えてるんだろうな」と。
合格するには、本人の読解力に合ったパターンの問題に当たるまで試験を何度も受け続けるしかありません(出費がかさみます)
既に合格している知人から「この問題集が一番本番に近いと思うよ」という情報をもらったにもかかわらず、ガン無視して、自分がいいと信じて買った問題集ばかりやるが、それが本番の試験問題とあまりにかけ離れているという大ハズレな本で、結局合格できない、といったところでしょうか。試験対策なのに、ハズレの本で勉強していては、受かるものも受からなくなります。
独学で色々な資格を取った経験のある方ならわかると思うのですが、市販のテキストであれ通信教材であれ、残念ながら本試験とピントがずれている対策本というのがけっこうありますので、合格した人からの教材情報は大切です。知人の感想や書評を活用すべきでしょう。
ワードやエクセルは資格というよりも技能なので、合格に必要なのは、コツコツ正しく練習できるかどうかです。
雑誌が読める程度の読解力があれば、3級には合格できます(2級はもうちょっと読解力が必要です)
試験に受かりにくい人の特徴(その2)
かつて、職業訓練に中国出身の人が来たことがあります。日本語は話せるけれど読むのは少し苦手で、読めない漢字も多くて苦労していましたが、すごく努力家の人でした。
こつこつ真面目に練習し、日商PC検定試験3級に合格しました。だいたいどのクラスも合格率は8~9割なので、その時も中国出身の人が合格する一方で落ちた日本人がいました。
日商PC検定のワード・エクセルの3級は、読解力が多少弱くても練習でカバーできることを中国人の方が証明してくれました。したがって、不合格になった日本人が「講師の教え方が悪いから落ちた」だの「設問の日本語がおかしいから落ちた」だの言っても、恥ずかしいだけなんですね。。
そういえば、中国出身の人に、「なお」と「また」と「つきましては」はどう違うんですかと聞かれて、ネットで調べて答えたことを思い出しました。そしてどう答えたかはもう覚えていません(笑)
どもです。
何というか、先生って本当に大変だなぁと思いますねぇ😅
ここまでではないものの、他人のアドバイスを全く聞かない人というのは、仕事上でもそこそこいて、それがまた自分の部下だったりすると、心底トホホな気分になったものでした。
なるべく近くにいて欲しくない人種ですが、そうはいかないのが人生ですねぇ。。。
KYOさん、ありがとうございます!。
最近は、トホホを通り越して笑えてくるんですけど、それは、「3ヶ月」という終わりが見えているからであって、職場の部下だったら、気が遠くなりますよねそりゃ。
私の感覚では7人に1人ぐらいはいる感じです。率にしたら14%ですから、少ないようで多いので、近くにいて欲しくなくてもなかなか避けられないですよねぇ。。